先日、ナ◯イの窓という番組を見ていたのですが、その日は「ラッパー特集」ということで、有名な方から「ラップもたまにやるよ」的な芸人の方まで、出演して、ラップについて語っていました。その中で、「ラップとは韻を踏むこと?踏むべき?全く踏まなくてもいいもの?」といったことについて、ラッパーの方の間ではずっと議論があるという話が出ていて、それを見ながらぼんやり頭の中で派生していったのですが、 こういった、音楽の「こういうスタイルのときはこれをこうするorしない」的なお話というのはラップだけでなく、クラシックやジャズの中にも様々ありまして、それを生徒さんがいざ勉強するとなった場合、レッスンで説明するときは少し悩んでしまいます。 例えが適切か微妙ですが、以前たまたま見る機会のあった外国人向けの日本語の教科書に書いてある日本語の文法はとてもオーソドックスなものでした。 「私は◯◯です」 「私は◯◯が◯◯です」 「◯◯は◯◯ですか?」 どこで話しても通じる日本語ですが、同じ意味を持ちながら、これ以外にも僕達が使っている日本語には語尾や言い方が違う言いまわしが山程あります。地方や時代、相手の年代や立場によって使う日本語は様々です。 ただ、学び始める段階で、この全てを網羅することは難しいので、一番当たり障りなく、汎用性の高い形を教えているということなのだと思います。 トランペットの練習でも同じように、習得する課程で習得しやすいように、ある程度情報を絞っての説明を心がけるのですが、「こういう楽譜の時はこうする」「こういうリズムの時はこうする」といったお話の外には「そうしない場合もないわけではない。というか結構あったりする」といった部分も隠れています。 「スタイル」はある程度サンプルが揃った後にまとめられたものも多々あり、その場合はそのルールが全てではないです。 いきなり全部を習得することは難しいですが、存在だけはなんとなく頭の片隅に置いておいてもらいながら、汎用性の高いものからまず身につけていただいて、その周りにあふれているバリエーション豊かな「そうでないもの」を聴いたとき、「これはきっとニセモノだ!」と思わず「こういう表現もあるのか~」と、少しずつ自分の引き出しに入れていってもらえたらステキなことだなと思ったのでした。
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