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100点


最近は暖かい日も増え、花粉も舞っているようです…

先日、髪を切ってきました。

ずっと切ってもらっていた美容師さんが遠くに引っ越してしまったため、しばらく美容院難民でしたが、最近ようやくひとつの場所に落ち着いてきました。

髪を切ってもらっている時の美容師さんとの会話は、気にならない人と苦手な人に別れるみたいですが、僕は退屈するよりは話をした方がいいなといった感じです。

今日は、話の中で「楽器演奏の本番について」の話題になりました。

美容師さんから「やっぱり練習より本番が一番出来がいいものなんですか?」との質問。

はて?一瞬意味がわからず、焦ってしまいました。結局その話題はあまり膨らみませんでしたが、その時は「なぜそう思うんだろう?」と思ってしまってうまく話を広げることができなかったのです。

後々考えてみたのですが、きっと美容師さんは「音楽は演者と聴衆があって初めて完結する」ので「ステージが練習を超える」ということがあるのでは?という意味で聞かれたのかなと思いました。

もしそういう意味での質問なのであればそういう意味では「練習よりいい出来と感じる」演奏もあるのかもしれません。

ただ、僕は僕個人の経験でしかわからないのですが、「本番の演奏がいちばん良かったな」と思ったことは数えるほどしかありません。練習のときのほうが、上手く行くことが多くて、「これを何とか本番でも」と思ったり、「自分が60%、70%の力しかだせなくても高いクオリティで演奏できる」ようにという感じで練習します。これは、演奏する人ならみんな同じ感覚なんだろうなと漠然と思っていたのですが、これは人によって違うったりもするものでしょうか。

「この音はこのぐらいの長さで」「このくらいのニュアンスで」といった細々したこだわりも、ホールが変われば響きも変わって、一緒に演奏する人との絡みもありますし、聞く人によって捉え方も様々なので、あまり「100点な本番」「完璧な本番」という考え方は違うんじゃないかなと思っています。(練習では「完璧」を求めることはすごく大切だと思います)

練習してきたことがあって、自分の思いがあって、共演者とのコミュニケーションがあって、聴く人の思いがあって、その上で「素晴らしい演奏だった」と自分も共演者も聴衆も思えるステージになることを目指すほうが健全なように思います。

美容師さんとの会話から、ふとそんなことを思いました。


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