先週のレッスンでのお話。
講師として在籍している埼玉の音楽教室は来月が発表会。
月2回のレッスンの方はあっという間に本番です。
前回に比べてかなり難しい曲にチャレンジする大人の生徒さんがいます。
先週のレッスンで全部通して演奏してもらったのですが、本人的に現在の出来には大いに不満があるとのことで、本番がすごく憂鬱だというお話でした。
もちろんそういった感想もあるでしょうし、その気持が練習につながるのであれば、悪いことばかりではないとは思うんですが、もう少し別な視点も持ってみてはいかがでしょうかといったお話をさせていただきました。
まず「◯◯さんは、発表会で他の方の演奏を聴いて、仮にうまく演奏できていなかったとしてそれが気になりますか?」という質問をしてみました。
すると
「頑張れ!と応援したことはあったけれど、ネガティブな意味で気になったことはありません」という回答でした。
逆に、毎年出ている方であれば、多少のミスよりも「今年はこんな感じの曲を選んだんだ」とか「去年よりこんなところが上達している気がするな」といったポジティブな事の方に目(耳)がいきませんか?と質問してみたところ、少し気持ちに変化があったようでした。
トランペットという楽器は演奏すること自体がとても難しい楽器です。
大人になってから始めた場合、吹奏楽部の子達に比べると確保できる練習時間はかなり少ないです。
ですが、本番で得られる体験、それに向けた練習から得られる経験値を考えると「きちんと演奏できるようになってから」を待っているよりもどんどん参加してほしいなと僕としては思っています。
吹奏楽やその他の編成でのコンクール、演奏会と比較して考えると、発表会は仮に失敗したとしても他人に迷惑はかかりませんし、それもまた貴重な経験値としてその方の血肉に必ずなります。
本番で起こることは、体験するから分かることも多く、すべての演奏家はいろいろな失敗を経験してきています。ですが、特に大人の方は”失敗してもいいからアグレッシブに挑戦できるステージ”というのはなかなか多くはないと思います。
その生徒さんは今までも仕事やプライベートの合間に練習時間をしっかりと作って、ひとつひとつ課題をこなしてきて着実に成長してきました。
ぜひ今回の発表会も果敢に挑戦して、ステージを楽しんでもらえたらと思っています。