吹奏楽にも野球でいう甲子園のような場所があります。
杉並区にある普門館というホール(講堂)です。
夏の吹奏楽コンクールは大学、一般の部もありますが、中学、高校の部だけが毎年この普門館で全国大会を行っていました。多くの学校が普門館を目指していました。
僕たちの学校も、(演奏のレベルを今思えば、おこがましいのかもしれませんが)普門館を目指して毎日練習をしていました。
震災の後、耐震性に問題があるとして普門館は全国大会の会場ではなくなってしまいました。
そして、今年いよいよ解体することになります。
そんな普門館から、吹奏楽を楽しむ人に向けて『普門館からありがとう』と題したステージの一般開放を先週1週間行っていました。楽器を持ってきた人は吹いてもいいですよという神対応です。
週の始めはそれでもまだ少なかったようですが、SNSなので拡散され、日に日に訪問する人の数も増えていったそうです。
とくに週の半ばに、とある高校の生徒達がなんとなしに吹き始めた「宝島」に他の見学者も参加して、ステージ全体での合奏になった動画が広まると、その後の見学者たちもそれぞれ「宝島」を演奏したそうで、ニュースでも少し取り上げられたそうです。
そんなことを聞いているうちに、自分も中高生の頃の気持ちがフツフツと湧き上がってきまして、
行ってきました!普門館!
日曜の最終日ということで、すごい人の数でした。
ステージには一定数ずつ入ってもらって、写真や演奏や、思い思いに過ごしてもらうという感じで回していました。運営の人には本当に感謝です。
なので中に入ると人は多いですが、多すぎるという感じでもなく、ホールの広さもあって、響きを確認したり、写真をとったり、ゆっくり楽しむことができました。
ステージで吹くと響かないのがすごくわかるとは聞いていましたが、ほんとに響かないです!
そして、誰かやってくんないかなと期待していた「宝島」も演奏できました。
それぞれの人達がこの場所にいろんな思いを持っていて、そんな人達が一度に集まっていて、楽譜を見なくてもなんとなく合わせちゃえるって、吹奏楽、音楽って素晴らしいなと。
素敵な時間だなと思わず涙腺がゆるみそうになりました。
なんとなく中学の頃の憧れに区切りがついちゃった気がして、それはなんだか寂しいのですが、最後の時に来てよかったなと思いました。