アーバン金管教則本やクラーク・テクニカルスタディなど、トランペットの標準的な練習本は高校の時からやってはいたのですが、僕が「音階」を意識したのはクラシック以外の場所で吹く機会が増えてからでした。
※ちょっと補足ですが、いわゆる「アドリブ」を演奏する(楽譜にないものを即興で演奏する)時にも一応のルール的なものはありまして、楽譜に音符は書いていないんですが、コード(和音)名は書いてあります。その小節は他の楽器がこのコードを鳴らしているよというものです。
コードは音の重ね方なので、そのコードが鳴っている時にそのコードの音をつかって吹くと音痴に聞こえないのです。また、そのコードにセットになっている音階もありまして、同じく、そのコードが鳴っているときにその音階の音を使って演奏すると音痴に聞こえず演奏できます。
初めてアドリブをやり始めた頃は今までと全く違うルールに戸惑い、とりあえずそのコードの音を思い浮かべながら音を並べていました。
そうすると、和音は基本的になにかの音階の1番目(ド)、3番目(ミ)、5番目(ソ)、7番目(シ)の音で構成されるので音階に対して何の音が何番目なのかが頭の中でちょっとずつ関連づいていきました。
そんな音階の何番目かを意識して音を出すことが増えたころ、クラシックの曲を練習していて「あれ?前より吹きやすい?」と感じることが増えてきました。
なんでそこにシャープ、フラットがついているか、ついたらどんな響きになるのかが感覚として見えてきたり、今までただの音の並びとしてしか見えていなかったものが、ちゃんと「音階や調性、和音」をもとに、組み替えたり、装飾したり、一定の法則をもたせて作られていると吹きながら予想が立つ場面が増えていきました。
結果、シャープ、フラットのつけ忘れが減ったり、1曲にかかる譜読みの時間がぐっと減って、その分を他の練習に充てることができるようになり、練習効率が良くなりました。
また、音階の何番目の音か、和音でいうとなんのコードの何番目の音に気づくことが少しづつ増えていくことで、演奏するときにひとつひとつの音の意味に気づく場面もあったりして、「演奏、よくなったね」と言っていただける場面もありました。
僕の体験談はこんな感じで、過程は人によって様々だろうとは思いますが、音階について友達と話をすると、みんなある時から似たように、音階と音楽がつながってることが体感として感じれるようになったタイミングがあったそうです。そして、やっぱり他の練習よりも効果が実感できるまで時間がかかったなぁという意見が多かったです。
時間がかかる分、取り掛かるのは早いほうがいいのではと思ったので今回は音階のお話でした。基礎練習をやる際は音階練習も取り入れてない方は取り入れてみてはいかがでしょうか。