インストアライブ直前、2日ほど「吹きにくいな」と感じる日がありました。
高音域のタンギングが安定しない、弱奏のコントロールがしずらい、バテやすい。そんな感じです。
ライブは暗譜での演奏とのこともあってちょっと焦る気持ちも出ていました。
原因は普段の音量より大きな音で高い音域を吹く時間が自分が感じていたより多かったことだと予想がつきました。そういう時は静かにゆっくりと息と身体のバランスを観察しながら柔らかく唇が振動するように息のコントロールを再確認していくとバランスが整っていくのが常なのですが、今回はいまいち回復に時間がかかりました。調整している時にふと、エアコンで喉がやられていたので痰を切る薬を数日飲んでいたこと、その薬を飲むと喉はスッキリする代わりにほんのちょっとですが身体の表面の水分が体の中に引っ込むような感覚を感じました。
唇の振動が息のスピードに対していつものようにいかないのは唇のハリがいつもと違うのかも?と思い、薬を飲むのを止めたらライブ当日の朝に唇の感覚が戻りました。
学生の頃は奏法も整っていなく、試行錯誤もしていましたし、今ほど定まったイメージはなかったので音が突然でなくなったり、昨日までどう吹いていたか分からなくなるほどコントロールができないこともしょっちゅうでした。当時はインターネットもないのでただただ自分で悩むしかありませんでした。ひどい時は1〜2ヶ月くらい調子が戻らずどうしていいか分からないこともありました。
僕の場合、調子の悪さが続く時は何かのタイミングでフッと原因に突き当たり解消することが多かったです。
そして、悩んでいる間は苦しいのですが、その経験を繰り返すうちに調子の崩れる原因と崩れる前の兆候がだんだんとわかるようになってきました。
原因がわかるようになってきたことと、自分の中で吹き方が少し定まってきたこともあって、調子の崩れる回数は減っていきました。また、調子が崩れてもどうやったら戻るのか予想が立つようになってきました。
立て直せた経験が増えることで本番直前に調子が崩れてもパニックにならずに対処できる場面が増えたので、あのとき苦しんだことも無駄ではなかったなと今では思います。
ちょうど、昨日レッスンをした高校生はテスト休み明けに調子が悪くなったようで、一緒に原因を考えてひとつひとつ可能性を潰していきました。時間の最後に答えのようなものにたどり着いたようで、あとは継続したときにちゃんと調子が戻るのかという感じでした。
次回のレッスンの時にまた様子を見せてもらうことになりましたが、改善しているといいなぁと思います。