トランペットを吹いていると、どうも吹きにくい、いつもは、前はもっと楽に吹けている気がする…
そんな日が数日〜数週間続くことがあります。
先日、ある生徒さんから相談されました。
原因はさまざまで、なかなかそこから抜け出せないときはとてもつらい時期です。
僕も何度か経験していますが、焦り、苦しみにさいなまれて本当にいやな日々です。
原因は様々で、あれこれ試しているうちに、原因に合ったアプローチがハマって、調子を取り戻す。そんな経験を繰り返していくうちに、自分の「調子がくずれる時のパターン」「パターン以外で調子が崩れるとき」が分かってきて、調子が崩れても、原因がなんとなく予想がつくようになり、回復するまでの時間が短くなったり、事前に調子が悪くなることを回避できるようになります。
人によって違いはあるので原因の全てをあげることはできないのですが、
・いつもと違う状況 or 状態で吹いた。(吹いている日が続いている)
・練習によって調子が上がるのと同時に負荷の限界が来た or 元の吹き方に戻そうとする身体の抵抗に引っ張られている。
このあたりから調子がくずれるパターンが多いのではないかと思います。
僕の場合は、中高生のころは、身体を使って吹く事が意識出来ている時は日に日に、楽器もよく響くようになってくるのに、身体が楽をしようとして、気づかないうちに、唇にたよって、息をあまり使わず吹いてしまう時に調子が崩れがちでした。
そんな時は、なるべく唇が息の流れで振動するように観察しながら数日練習すると戻りました。
練習場所が変わって調子を崩したこともありました。
自分の音を聞きながら、「こう聴こえてるってことは、こういう状態だな」ということを身体が無意識に判断、調整してくれているので、練習場所が変わり、響きに対しての吹き方を身体が勘違いして反応することを続けた結果、バランスが崩れてしまいました。
コンクール前に調子を崩す子の相談は、生徒だけでなく、学校からの相談を受けることもあります。
練習量が増えることに反比例するようにウォームアップ、クールダウンの時間が少なくなって、披露の蓄積やフォームの崩れが限界をこえていることが多いです。
いろいろな原因があり、それが見つかり、ハマるまでは抜けることができないのですが、そんなときこそひとつ大きな経験のチャンスだと自分に言い聞かせながら、丁寧にひとつひとつ原因の可能性のあるものに対処していくしかないのだと思います。苦しい時期ではありますが、身体の使い方、楽器の吹き方をすごく観察することになる時期でもあります。
その経験は後に必ず活きてきます。